いつか永遠の眠りにつく日まで

目を覚ますと、相変わらず船はゆらゆらと揺れていた。

どれくらい眠っていたのだろう。昨晩からの疲れもあってか、随分と長く眠ってしまっていたような気がする。


起き上がると、上に掛けてあった毛布がずり落ちた。


(これは…。)

いつの間にか、毛布が掛けてあった。部屋を見回すと、テーブルの上に食事も用意されている。


テーブルへ近付くと、その香りに食欲をそそられる。

そういえば城を出てから何も食べていなかった。


パンやミルクなど、質素だが冷めることを気にしなくてもいいような食事に気遣いを感じる。



「……泣いていても、仕方がないものね。」



私は椅子に腰掛けると、パンをゆっくりと頬張った。

まずは、生き延びることを考えなければ。


必ず生きて、ルチェルナ城へ帰る。すべてはそれからだ。


簡単に食事を済ませると、私はベッドの上に置いてあった着替えを手に取った。

デネブリスらしい、華やかな見た目だ。


(一般国民の普段着のようだけど…。)


それでも充分華やかなのは、完全に文化による違いなのだろう。

私は着ていたドレスを脱ぐと、用意された服に袖を通した。


丁度その時、ドアをノックする音が聞こえた。



「…はい。」



返事をすると、鍵を開ける音がして、続いて扉が開いた。

中に入って来たのは、レオ様だった。