必要と思われることを一方的に話したジャスティアは、「では。」と言い、部屋を出て行った。
そして宣言通り、背で扉の鍵が閉まった音がした。
「……これから、どうすればいいの…?」
まるで物置だったかのような、質素な部屋だった。窓はなく、ロウソクの灯りがなければ真っ暗になってしまう。
かろうじてトイレは備え付けのものがあった。
私はベッドに腰掛けると、大きな溜め息を吐いた。
「お父様…、マーテル…。」
冷静になりきれない頭で考えるが、どうしていいかさっぱり分からない。
何より、彼らの目的が分からなかった。
なぜ私を攫うのか。
何か政治的取引に利用されるのだろうか。それとも、これを機に戦争を…?
嫌な考えばかりが巡って、無意識のうちに手が震え始めていた。
「帰りたい…。」
ずっと堪えていた本音が、口から零れ落ちる。
私は自分で自分を抱き締めるように腕を回すと、ギュッと肩を抱いた。
城から出たことのない私。私にとって外の世界は、あまりに広かった。
「っ……、母様…。」
涙が頬を伝う。
母様なら、どうするだろうか。そんなことを考えているうち、私はいつしか眠りに落ちていた。
そして宣言通り、背で扉の鍵が閉まった音がした。
「……これから、どうすればいいの…?」
まるで物置だったかのような、質素な部屋だった。窓はなく、ロウソクの灯りがなければ真っ暗になってしまう。
かろうじてトイレは備え付けのものがあった。
私はベッドに腰掛けると、大きな溜め息を吐いた。
「お父様…、マーテル…。」
冷静になりきれない頭で考えるが、どうしていいかさっぱり分からない。
何より、彼らの目的が分からなかった。
なぜ私を攫うのか。
何か政治的取引に利用されるのだろうか。それとも、これを機に戦争を…?
嫌な考えばかりが巡って、無意識のうちに手が震え始めていた。
「帰りたい…。」
ずっと堪えていた本音が、口から零れ落ちる。
私は自分で自分を抱き締めるように腕を回すと、ギュッと肩を抱いた。
城から出たことのない私。私にとって外の世界は、あまりに広かった。
「っ……、母様…。」
涙が頬を伝う。
母様なら、どうするだろうか。そんなことを考えているうち、私はいつしか眠りに落ちていた。



