いつか永遠の眠りにつく日まで

「でも、どうやって…?」

「何がだ。」

「港に堂々デネブリスの船が停泊するのを、皆が見逃すとは思えません。」



この港町にだって騎士団の支部はあるし、見回りだってあるはずだ。

こうして停泊しているのは容易くはないはず。



「…金だ。」

「まさか…。」



賄賂で買収したというの…?

俄かに信じがたい言葉に、私は動揺を隠しきれない。


金で懐柔されて敵国を招き入れるなんて…。



「俺の目から見てだが、ルチェルナの民はこの平穏に慣れ切ってしまいすぎている。」

「……。」

「恐らく彼らは、敵国の船だろうと直接的な害はないだろうと踏んだんだろう。」

「そんな…。」



私は驚きを通り越して悲しくなり、グッと拳を握り締めた。

それでは駄目なのに。



「…実際、今回は彼らにとって害はなかっただろう。…さて、明日中にデネブリスに入るだろう。それまでに、そのドレスを着替えておけ。」



そう言うとレオ様はジャスティアに部屋の案内を言いつけ、どこかへ行ってしまった。

ジャスティアが、私を部屋まで案内する。



「この部屋を使って下さい。服はベッドの上のものを。部屋には外から鍵をかけさせていただきます。見張りを立たせておきますので、変なことは考えないよう。」