いつか永遠の眠りにつく日まで

「馬車から飛び降りればまず無事では済みませんし、この馬車の警備に当たっている者があなたをすぐに殺すでしょう。」



あまりにサラッと言ってのけるものだから、その様にかえってゾッとしてしまった。

飛び降りることを諦め、自分の現在地を知ろうと改めて窓の外を伺い見る。



「ここは大陸の東側だ。」



私の考えを知ってか知らずか、レオ様が言う。



「東側…!?」



驚きのあまり、思わず大きな声が出てしまった。すぐさま口を抑えたが、ジャスティアに思い切り睨まれてしまった。

デネブリスに向かうとして、東側はあり得ないと考えていたのに。



「東側からはゴルディス山脈は到底越えられたものじゃない。」

「…では、デネブリスへは行かないというの?」

「いや、目的地はデネブリスだ。経路が違う。」



東側からデネブリスへなんて、一体どうやって…?


恐らく、ルチェルナの騎士団は西側へ向かってしまっただろうから、救出の望みは薄くなってしまった。

ということは、私自身がどこかで脱出しなければ。



「船を使って、海を行く。」

「!」



想定外の言葉に、私はただ目を見開いた。そして同時に納得した。