いつか永遠の眠りにつく日まで

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「ねぇ、おばあちゃん。このお話のお姫様と王様って本当にいたの?」



女性は幼い孫が手に持った本に目を向けると、懐かしむように目を細めた。



「えぇ。昔のお話だけれど、本当よ。」

「えぇ~! おばあちゃん見たことあるの~?」



無邪気なその問いかけに、笑顔で頷いてみせる。



「もう何十年も昔のことよ。まだここがデネブリスっていう国だった頃、近くに湖に浮かぶお城があってね。」

「湖に!?」

「えぇ。この市場にも、1度一緒にいらしたことがあるのよ。」



あのときは、あのお嬢さんがルチェルナのお姫様だなんて知らなかったけれど、互いを意識し合っている姿を微笑ましく思ったことを覚えている。



「すごいね!」

「そうねぇ。」



デネブリス全土がルチェルナに吸収統合されて間もなく、ルチェルナの現国王がここへ来て尋ねた。


__『レオ王と、リーリア姫の真実を知りたいんだ。』

彼は情報をかき集めると、一冊の本を出版した。


それが、『リーリア姫とレオ王』。


国に阻まれた、お姫様と国王様のお話だ。



「リーリア姫とレオ王は、幸せだったのかなぁ?」