いつか永遠の眠りにつく日まで

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なんとか玉座の間へ辿り着くと、レオ様がふっと笑みを浮かべてこちらを見る。



「生きていたか、ビリー。」



なんともひどい主である。



「主を置いて、従者が先に死ぬわけにはいきませぬ。」



そう言うと、レオ様は声も出さず、可笑しそうに笑う。

こんな表情を見たのは、何年ぶりだろうか。


ここ数年のレオ様は特に無表情なことが多かった。


(これも、あの娘のおかげだというのか…。)

皮肉だが、誰もそれを否定しはしないだろう。


俺は、とにかくあの姫が嫌いだった。

囚われの身だというのに、我々従者にやたらと親し気で懐っこく、それでいて気丈で。


(あれは、立派な姫だった。)


認めたくはなかったが、認めざるを得ないほどに、彼女は立派だった。

あんな小娘のどこにそんな度胸があるのかと、こちらが面食らう程だった。


(…とはいえ、あの傷が致命傷になったのだから、やはりあの娘は好かんが…。)


あの娘のことを考えながらそっと目を閉じると、あの娘の笑顔が浮かんでしまう。

ビリーは苦笑を漏らした。


(俺も随分とほだされたものだ…。)


今更だが、認めてやろう。レオ様に相応しい姫は、あの娘だった、と…。