いつか永遠の眠りにつく日まで

もしも私が攫われていなかったら、宣戦布告をされていたとはいえマーテルを始め騎士団はここまでやって来なかっただろう。

私はグッと唇を噛み締めると、レオ様に向き直った。


私を真っ直ぐに見つめるレオ様は無表情ではあるものの、その目は、ただただ優しかった。


私は何も言わずに、ただ一礼した。

涙が溢れ出して止まらなかった。


私が顔を上げるや否や、マーテルが私の腕を引っ張って歩かせる。



「…リーリア。」



微かに、レオ様の声が聞こえた。

振り返ると、レオ様は少し微笑んで言った。



「幸せになれ。」



まるで、幸せにできなくて悪いとでも言うかのようだった。


その時、上から瓦礫が降ってきた。

城の崩落が始まっていた。



「っ、レオ様…!」



その瞬間、私の身体は宙に浮いていた。

マーテルの肩に担ぎ上げられたのだ。



「撤収だ!」



マーテルの声が廊下に響いて、ルチェルナの兵が一斉に城の出口を目指して走り出す。

その間にもどんどん瓦礫が降ってくる。


マーテルに担がれて廊下を通る最中、倒れたフランやリディ、ビリー、ジャスティアを見た。


私は目を逸らすように、マーテルの背中にしがみついた。