いつか永遠の眠りにつく日まで

「レオ様…!」



見ると、足元に血が飛び散っていた。

けれど鎧を纏ったその身に、今の斬り合いでの目立った外傷はなく。



「っ…。」



肩で息をするレオ様の顔色は、いよいよ真っ青だった。



「…もう、立っているのも限界だろう。」

「ふっ…、黙れ。」



レオ様はそう笑うが、その額は汗でびっしょりと濡れていた。

マーテルは顔をしかめると、半歩身を引いた。



「…背中か。」



その言葉を聞いて、私は目を見開いた。

(背、中…?)


その背中はマントと鎧に包まれていて確認することは出来ないが、確かに思い当たる節がある。

最北端の街で賊に襲われた時に負った傷だ。


どうして気が付かなかったのだろう。

どう考えたって、あの傷が塞がっているはずがなかったのに。あの日だってろくに休息も取らずに城へ引き返して来てしまったし、今だって…。



「これは、名誉の負傷でな。」

「…そうか。」



マーテルは目を細めると、一気にレオ様に斬りかかった。



「その傷、相当深いんだろう。そんなに顔色が悪くなるほど出血しているような傷…何が名誉の負傷だ!」



レオ様はマーテルの剣を受け止めると、それを受け流した。