いつか永遠の眠りにつく日まで

「逆だな。」

「……。」

「俺はあの日、自分が使っていた客間に宣戦布告の書状を置いて、ルチェルナ城を後にした。要するに、こうなることはあの時点で決まっていた。ただ予定外だったのは、城に攻め込まれたのがルチェルナ側ではなくこちら側だったということだ。」



レオ様は苦笑すると、天井を仰いだ。



「あのままデネブリスがルチェルナへ攻め込んでいたら、お前は死ぬかもしれないと思った。お前を戦争から少しでも遠ざけたいと思ってしまった…。」

「レオ様…。」

「逆に、目の当たりにさせてしまうな…。」

「っ…。」

「だが、お前と居る時間を得ることが出来たんだ。そういう意味では正解だったな…。お前にとっては、災難だったかもしれないが。」



涙がこみ上げてきて、私はそれを堪え切れなかった。

こちらに視線を向けたレオ様が、困ったような笑みを漏らす。



「昨晩から、お前は泣いてばかりだな。」

「だってっ…。」



あなたは本当に、始めから私を気に掛けていてくれた。ずっと側に居ようとしてくれていた。

それが、素直に嬉しいんです。


言葉には出来ない思いが、涙になって溢れていく。



「…その涙も、拭ってやれない。」



私とレオ様が馴れ合っているところをルチェルナの人間に目撃されれば、私が裏切り者の烙印を押されるからだろうか。

(私はもう、こんなにも祖国を裏切っているというのに。)