いつか永遠の眠りにつく日まで

再び、レオ様が私の名前を呼ぶ。



「お前は俺に訊いたな。なぜ私を攫ったのか、と。俺は死なせるには惜しかったとしか、あの時答えられなかった。」

「……はい。」

「今なら分かる。なぜお前を死なせたくなかったのか。」



いよいよ堪え切れなくなった涙が、ポタリとスカートに落ちる。

顔は、上げられないままだった。



「俺は、一目見たあの時から、お前に惚れていたようだ。」



私はもう、我慢できなかった。

涙が後から後から零れ落ちて、スカートに染みを作っていく。



「昨日馬車の中でも言ったが、俺はお前を手放す気はない。ルチェルナへ返す気も、他の男にやる気もだ。」

「レオ様…。」



顔を上げてレオ様を見上げると、今までに見たことがない程優しい顔をしていた。

最高の、告白だった。


ずっと、物語に憧れていた。恋をして、告白されて、両想いになって。

それは、こんなに複雑ではなかったけれど。


それでも、私には充分だった。



「何も、言わなくていい。」



返答に困っていた私を見抜くと、レオ様はそう、優しい声音で言った。

今の私にはその配慮さえも苦しくて、胸元のペンダントを握り締めた。