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「やりましたね、秀明様!」
彩雲は満面の笑みでそう言った。
そんな彼は怨念を祓い続けた結果、後天的に鬼化していた。霊力の強さゆえに、取り憑かれた際に自我を保つことが出来たのだ。
そして彩雲に取り憑いた怨念は、なぜか祓うことができなかった。
「ありがとう、彩雲。」
そう礼を言う秀明の顔には疲れが滲んでいた。国内各地を回っていた俺らももちろん大変だったが、秀明の苦労も相当なものだっただろう。
「それでね、皆に話があるんだ。」
今日は秀明の招集により、久しぶりに俺・鬼・彩雲たち9人が集まっていた。桜琳には席を外してもらっている。
「この封印には致命的な『欠陥』があってね。」
「欠陥…?」
「霊力を持つ者を『人柱』として、一緒に封印しなきゃならない。」
微笑んでいつも通り穏やかに言う秀明に、その場に居た全員が息を飲んだ。
「なんて言うかね、外からの押さえ込みだけじゃ足りないんだ。中からも押さえ込む必要があって、それも相当な霊力の持ち主じゃないといけない。」
恐らく、その場に居た全員が秀明の言わんとしていることを理解した。
「では私が…!」
「君は駄目だよ、彩雲。君は怨念に取り憑かれているからね。恐らく人柱になれば、今度こそ怨念に飲み込まれてしまう。」
「っ…。」
彩雲以外の2人の霊力は、彩雲にも遠く及ばない。
「…あと、もう1個欠陥があってね?」
秀明は困ったように笑った。
「人柱が寿命を終えた時、封印も解けてしまうんだ。だから封印が解けるまでに、怨念を成仏させる術式を完成させて欲しいんだ。僕が時間を稼いでいる間に、ね。」
俺たちは言葉を失った。やはり秀明は自分1人犠牲になる気なのだ。
「お、俺なら寿命長いぞ! 不老不死だぞ!」
「君も駄目だよ、金言。君たちは霊力を持たないからね。」
そう言われて、金言に続けとばかりに口を開きかけていた鬼たちは押し黙った。
「となると、俺だな。」
俺がそう言うと、秀明は先程までの笑顔を瞬時に消した。
「君も駄目だ、皇憐。」
「何でだ。霊力はねぇけど、妖力で代用出来んだろ。不老不死だからお前より長く封印を持たせてやれる。下手したらこの世の終わりまで持つぞ。それに、お前以上の術者がいないっつってんのに、お前が人柱になってどうすんだ、誰が成仏の術式を完成させんだよ。」
秀明は鋭い目で俺を睨み付けた。秀明とはそこそこ長い付き合いになるが、こんな表情は初めて見た。
「君には桜琳がいるだろう。」
「……。」
「僕が封印される代わりに、桜琳には女帝になってもらう。君はその夫となり、桜琳が隠居するときに一緒に隠居するんだ。今と大して変わらない。少しの間、表舞台に立つだけだ。」
俺は苦笑しながら、秀明に言葉を返した。
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「やりましたね、秀明様!」
彩雲は満面の笑みでそう言った。
そんな彼は怨念を祓い続けた結果、後天的に鬼化していた。霊力の強さゆえに、取り憑かれた際に自我を保つことが出来たのだ。
そして彩雲に取り憑いた怨念は、なぜか祓うことができなかった。
「ありがとう、彩雲。」
そう礼を言う秀明の顔には疲れが滲んでいた。国内各地を回っていた俺らももちろん大変だったが、秀明の苦労も相当なものだっただろう。
「それでね、皆に話があるんだ。」
今日は秀明の招集により、久しぶりに俺・鬼・彩雲たち9人が集まっていた。桜琳には席を外してもらっている。
「この封印には致命的な『欠陥』があってね。」
「欠陥…?」
「霊力を持つ者を『人柱』として、一緒に封印しなきゃならない。」
微笑んでいつも通り穏やかに言う秀明に、その場に居た全員が息を飲んだ。
「なんて言うかね、外からの押さえ込みだけじゃ足りないんだ。中からも押さえ込む必要があって、それも相当な霊力の持ち主じゃないといけない。」
恐らく、その場に居た全員が秀明の言わんとしていることを理解した。
「では私が…!」
「君は駄目だよ、彩雲。君は怨念に取り憑かれているからね。恐らく人柱になれば、今度こそ怨念に飲み込まれてしまう。」
「っ…。」
彩雲以外の2人の霊力は、彩雲にも遠く及ばない。
「…あと、もう1個欠陥があってね?」
秀明は困ったように笑った。
「人柱が寿命を終えた時、封印も解けてしまうんだ。だから封印が解けるまでに、怨念を成仏させる術式を完成させて欲しいんだ。僕が時間を稼いでいる間に、ね。」
俺たちは言葉を失った。やはり秀明は自分1人犠牲になる気なのだ。
「お、俺なら寿命長いぞ! 不老不死だぞ!」
「君も駄目だよ、金言。君たちは霊力を持たないからね。」
そう言われて、金言に続けとばかりに口を開きかけていた鬼たちは押し黙った。
「となると、俺だな。」
俺がそう言うと、秀明は先程までの笑顔を瞬時に消した。
「君も駄目だ、皇憐。」
「何でだ。霊力はねぇけど、妖力で代用出来んだろ。不老不死だからお前より長く封印を持たせてやれる。下手したらこの世の終わりまで持つぞ。それに、お前以上の術者がいないっつってんのに、お前が人柱になってどうすんだ、誰が成仏の術式を完成させんだよ。」
秀明は鋭い目で俺を睨み付けた。秀明とはそこそこ長い付き合いになるが、こんな表情は初めて見た。
「君には桜琳がいるだろう。」
「……。」
「僕が封印される代わりに、桜琳には女帝になってもらう。君はその夫となり、桜琳が隠居するときに一緒に隠居するんだ。今と大して変わらない。少しの間、表舞台に立つだけだ。」
俺は苦笑しながら、秀明に言葉を返した。



