首都へと帰り着いたのは、北の街を出発してから3日目の夕方頃だった。旅は非常に順調だった。首都に到着すると、宮殿へと真っ直ぐ向かった。
「何だか帰りって早く感じるよね。」
「そうだな。知ってる場所に向かうのと知らねぇ場所に向かうのとじゃ気持ちが違うからな。」
皇憐にそう言われて確かにその通りだと思った。首都はもう、私にとって“知っている場所”なんだ。
「水凪は首都へは全く来ないの?」
「いや、鬼を含めた会議を年に1度必ず行うゆえ、大体半年ぶりだろうか。」
「そうなんだ。」
意外と集まるものなんだなぁ。まぁ国内の状況を皆で共有したりするのは重要だもんね。
「今更だけど、水凪がいない間に水凪の管轄で怨念が出たらどうするの?」
「街に居る者たちだけで対処できるよう対策を打ってある。毎年のことゆえ、彼らももう慣れたものだ。」
「そっかそっか。」
そうだよね、怨念の騒ぎが発生したのも1000年前。その後ただ指を咥えていただけなわけないか。
「着いたぞ〜!」
皇憐の声で前に向き直ると、丁度城門が目の前に来ていた。城門をくぐり、長い階段を降りて祭壇の横を通過し、また長い階段を登る。
そして例の如く、皇憐と水凪の顔パスで宮殿内へと足を進めた。
「おぉ、戻ったか。水凪も久しいな。」
何やら会議をしていたらしい皇帝は私たちに気が付くと、わざわざ玉座から立ち上がって歓迎してくれた。
他の会議参加者の人たちも、立ち上がってこちらに何やらポーズをとっていた。恐らくこの国の敬礼の姿勢なのだろう。
「もう腹減りだ。」
「分かった、すぐに食事を用意させよう。」
「頼んだ。」
皇憐は片手を上げると、堂々と左後ろの扉から外へと出た。私と水凪もそれに続いた。
「会議中だったみたいだけど、あそこ通らないとダメだった?」
「皇帝に帰還の挨拶しねぇとな。それに、城門通っちまうと謁見の間を通らないといけねぇからな。」
と悪戯っ子のように笑った。
「いいのだ。皇憐は昔からこうだし、皇帝もそれを咎めることは決してない。」
「そう…。」
こんなにやらかしてるのにお咎め一切なしだなんて、どれだけVIP待遇なんだろう。でも結果的に1000年以上国を守ってるんだもんね…。そりゃそうか…。
「夕食の前に湯浴みと着替えをせねばな。結、そなたの部屋の場所は分かるか?」
「うん。」
「では女官に湯浴みと着替えを頼んでおこう、真っ直ぐ部屋へ向かうとよい。」
「ありがとう、水凪。」
「何だか帰りって早く感じるよね。」
「そうだな。知ってる場所に向かうのと知らねぇ場所に向かうのとじゃ気持ちが違うからな。」
皇憐にそう言われて確かにその通りだと思った。首都はもう、私にとって“知っている場所”なんだ。
「水凪は首都へは全く来ないの?」
「いや、鬼を含めた会議を年に1度必ず行うゆえ、大体半年ぶりだろうか。」
「そうなんだ。」
意外と集まるものなんだなぁ。まぁ国内の状況を皆で共有したりするのは重要だもんね。
「今更だけど、水凪がいない間に水凪の管轄で怨念が出たらどうするの?」
「街に居る者たちだけで対処できるよう対策を打ってある。毎年のことゆえ、彼らももう慣れたものだ。」
「そっかそっか。」
そうだよね、怨念の騒ぎが発生したのも1000年前。その後ただ指を咥えていただけなわけないか。
「着いたぞ〜!」
皇憐の声で前に向き直ると、丁度城門が目の前に来ていた。城門をくぐり、長い階段を降りて祭壇の横を通過し、また長い階段を登る。
そして例の如く、皇憐と水凪の顔パスで宮殿内へと足を進めた。
「おぉ、戻ったか。水凪も久しいな。」
何やら会議をしていたらしい皇帝は私たちに気が付くと、わざわざ玉座から立ち上がって歓迎してくれた。
他の会議参加者の人たちも、立ち上がってこちらに何やらポーズをとっていた。恐らくこの国の敬礼の姿勢なのだろう。
「もう腹減りだ。」
「分かった、すぐに食事を用意させよう。」
「頼んだ。」
皇憐は片手を上げると、堂々と左後ろの扉から外へと出た。私と水凪もそれに続いた。
「会議中だったみたいだけど、あそこ通らないとダメだった?」
「皇帝に帰還の挨拶しねぇとな。それに、城門通っちまうと謁見の間を通らないといけねぇからな。」
と悪戯っ子のように笑った。
「いいのだ。皇憐は昔からこうだし、皇帝もそれを咎めることは決してない。」
「そう…。」
こんなにやらかしてるのにお咎め一切なしだなんて、どれだけVIP待遇なんだろう。でも結果的に1000年以上国を守ってるんだもんね…。そりゃそうか…。
「夕食の前に湯浴みと着替えをせねばな。結、そなたの部屋の場所は分かるか?」
「うん。」
「では女官に湯浴みと着替えを頼んでおこう、真っ直ぐ部屋へ向かうとよい。」
「ありがとう、水凪。」



