(あ、あれ…?)
皇憐が守り神のように祀り上げられていると言っていたから、こんな風にどうして私のことを知っているんだという反応をされるとは思っていなかった。逆にこちらが困惑してしまう。
「あの、皇憐とあなたを探してて…。」
と言うと、「あぁ」と納得した表情を見せた。
「そなたがそうであったか。空から話は聞いている。…皇憐はどうしたのだ?」
「えっと、途中で逸れちゃって…。」
「そうか。…では、私の家へ行こう。彼奴なら水晶で私の居場所が分かる。いずれ私の家へ来るだろう。」
そう言って服の袖をまくり、手首に付けた青色の水晶を見せてくれた。空とは違い、数珠のようにブレスレットにして付けているようだ。なんて美しい水晶なんだろう。
そうして私たちは水凪の家へと向かった。道中、水凪を見て拝む人がチラホラいた。守り神のように祀り上げられているというのはどうやら本当らしい。
「この街の人間には『青鬼様』と呼ばれている。街中で名で呼ばれることなど久しくなかったゆえ、先程は少し驚いてしまった。」
拝む人々に応えながら、不意に水凪が言った。
「あぁ、それで…。」
「ところで、そなたの名は?」
「あ、結です。名乗りもせずにすみません。」
そう言うと、水凪は穏やかな笑みを浮かべて首を横に振った。
名前の通り、水のように穏やかでたおやかな人だ。見た目も透明感抜群の麗人ときた。
『皇憐-koren-』では鬼たちのリーダー格という設定である、南方守護の焔から会いに行ったため水凪は未登場だった。
(もしこのまま『皇憐-koren-』に出てくるとしたら、ファンが割れそうだ…。)
私はそんな呑気なことを考えながら水凪の隣を歩いていて、ふと気が付いた。
「そういえば、空から聞いていたって…?」
「あぁ、『風の知らせ』というあの子の力だ。」
「え。」
何それ、そんな力あるの? そんな力あったら…この旅意味なくない? この旅の意味って…何!?
パニックで立ち止まった私を他所に、水凪は「着いたぞ」と微笑んでいた。
「居た、結ー!!」
大きい叫び声の後、少しの衝撃と同時に目の前に皇憐が現れた。
「こ、皇憐…! びっくりした…!」
「怪我してないか!? あー見つかってよかった…。ごめんな置いてっちまって…。」
「久しいな、皇憐…。」
「おう水凪。結の保護ありがとな。」
「そなたは相変わらずだな…。」
なんて会話がどんどん繰り広げられていく。この2人…会うの1000年ぶりだよね? 水凪の方は少し感極まっている感じが伺えるが…、皇憐…軽くない?
…しかし、私にはそれ以上に気になっていることがあった。
「そんなことより…、『風の知らせ』って何!?」
私は皇憐と水凪に詰め寄った。
「そんな便利なものがあるなら私たちの旅いらないじゃん!」
「……水凪、喋ったな。」
「はは、すまぬ…。」
明らかにバツが悪そうな2人によると、例の古くからの言い伝えで結局皇憐と私がこの旅に赴くという結果は変わらなかったらしい。
ただ、急に私たちに来られても準備に手間取って余計な時間を食うと悪いからと、空が気を回してくれたらしかった。
皇憐がどこからか入手してきた菓子で私の機嫌を取ろうとしながら教えてくれた。
「出発は明日なのだろう? 今晩は私の家でゆっくりしていってくれ。」
そう困った顔で笑う水凪を見て、初対面の人の前でいつまでもむくれているのも失礼だなと反省し、気を取り直して水凪の家にお邪魔することにした。
皇憐が守り神のように祀り上げられていると言っていたから、こんな風にどうして私のことを知っているんだという反応をされるとは思っていなかった。逆にこちらが困惑してしまう。
「あの、皇憐とあなたを探してて…。」
と言うと、「あぁ」と納得した表情を見せた。
「そなたがそうであったか。空から話は聞いている。…皇憐はどうしたのだ?」
「えっと、途中で逸れちゃって…。」
「そうか。…では、私の家へ行こう。彼奴なら水晶で私の居場所が分かる。いずれ私の家へ来るだろう。」
そう言って服の袖をまくり、手首に付けた青色の水晶を見せてくれた。空とは違い、数珠のようにブレスレットにして付けているようだ。なんて美しい水晶なんだろう。
そうして私たちは水凪の家へと向かった。道中、水凪を見て拝む人がチラホラいた。守り神のように祀り上げられているというのはどうやら本当らしい。
「この街の人間には『青鬼様』と呼ばれている。街中で名で呼ばれることなど久しくなかったゆえ、先程は少し驚いてしまった。」
拝む人々に応えながら、不意に水凪が言った。
「あぁ、それで…。」
「ところで、そなたの名は?」
「あ、結です。名乗りもせずにすみません。」
そう言うと、水凪は穏やかな笑みを浮かべて首を横に振った。
名前の通り、水のように穏やかでたおやかな人だ。見た目も透明感抜群の麗人ときた。
『皇憐-koren-』では鬼たちのリーダー格という設定である、南方守護の焔から会いに行ったため水凪は未登場だった。
(もしこのまま『皇憐-koren-』に出てくるとしたら、ファンが割れそうだ…。)
私はそんな呑気なことを考えながら水凪の隣を歩いていて、ふと気が付いた。
「そういえば、空から聞いていたって…?」
「あぁ、『風の知らせ』というあの子の力だ。」
「え。」
何それ、そんな力あるの? そんな力あったら…この旅意味なくない? この旅の意味って…何!?
パニックで立ち止まった私を他所に、水凪は「着いたぞ」と微笑んでいた。
「居た、結ー!!」
大きい叫び声の後、少しの衝撃と同時に目の前に皇憐が現れた。
「こ、皇憐…! びっくりした…!」
「怪我してないか!? あー見つかってよかった…。ごめんな置いてっちまって…。」
「久しいな、皇憐…。」
「おう水凪。結の保護ありがとな。」
「そなたは相変わらずだな…。」
なんて会話がどんどん繰り広げられていく。この2人…会うの1000年ぶりだよね? 水凪の方は少し感極まっている感じが伺えるが…、皇憐…軽くない?
…しかし、私にはそれ以上に気になっていることがあった。
「そんなことより…、『風の知らせ』って何!?」
私は皇憐と水凪に詰め寄った。
「そんな便利なものがあるなら私たちの旅いらないじゃん!」
「……水凪、喋ったな。」
「はは、すまぬ…。」
明らかにバツが悪そうな2人によると、例の古くからの言い伝えで結局皇憐と私がこの旅に赴くという結果は変わらなかったらしい。
ただ、急に私たちに来られても準備に手間取って余計な時間を食うと悪いからと、空が気を回してくれたらしかった。
皇憐がどこからか入手してきた菓子で私の機嫌を取ろうとしながら教えてくれた。
「出発は明日なのだろう? 今晩は私の家でゆっくりしていってくれ。」
そう困った顔で笑う水凪を見て、初対面の人の前でいつまでもむくれているのも失礼だなと反省し、気を取り直して水凪の家にお邪魔することにした。



