ベッドをひっくり返されるんじゃないか、って勢いで手すりを掴み、ヘッドバンキングをしているかのように慌てふためいていた。

「んっ…」

あ。

そこで、多分雨の暴れように澪奈が目を覚ましてしまった。

そりゃ覚ますわ……うるさいがすぎる。

「あっ、かわい子ちゃん!西島のバカ野郎起きたよ!」

目を擦りながら状況を把握しようとキョロキョロしている澪奈にティアラがそう教えてあげる。すると澪奈が覚束無い足取りでふらふらと立ち上がりゆっくりと俺の顔を覗き込みに来た。

「あっ……、、っ、ゆずっ、、、おーー、、き、っ、、」

ーー‪”‬ あ っ 、 ゆ ず き ! 起 き た !‪”‬

どうやらまた言葉が上手く出てこなくなっちゃったみたいだ。多分メンタルやられるとこうなっちゃうんだよなぁ…。

俺が起きたのがよっぽど嬉しいのか嬉しそうに目を狭めて、頭をコツン、と落としてきた。いつもみたく懐いた猫みたいに俺の胸板に頬をスリスリと押し付けてくる。

ーーズキッ……

いってぇ……、、、、

と、同時に何故が体が軋むように悲鳴をあげた。

「あっ、かわい子ちゃん!ダメよ!西島のバカ野郎あばら骨数本折れてんだから!」

まだどこか夢見心地の脳内にめちゃくちゃ衝撃的な言葉が入り込んでくる。