バサッ
昨日の夜、頭からすっぽりとかぶったはずの布団が誰かによって引きはがされた。
あれ?今何時だっけ、、、
え、え、え、
「えーっ!!! もう7時じゃん!」
瀬原 みなみ
高校二年生

新学期早々、遅刻するかもしれません。

やば。そう思ってベットから急いで立ち上がったら
ドンっ
がっつり誰かにぶつかった。
私の部屋に私以外の人がいるのが考えられなくて、
え?と顔を上げると
「今日は俺より起きるの遅いじゃん。」
そう言いながら、こちらを向いている私の幼なじみ
佐良 慎也 が立っていた。
「え、もしかして布団めくったの慎?」
「そー。みなみ、相変わらず寝相悪いな。」
「うっるっさい!明日は絶対ぜーったい慎より早く起きるもん!」
「はいはい。頑張れ。」
そう言って私の頭をポンポンして、私の部屋を出ていった。
あ、そうだ。急いで用意しなきゃ。
早く。慎は多分私を待ってる。
迷惑をかけるのは絶対ダメ。

私は慎に負けたくない。慎よりなんでもできて、完璧。それが私の思い描く理想像。

何秒か前に私の部屋を去っていった人を思い返して、
「負けてたまるもんか。」
そうつぶやいた。