「お兄さんがこの大学に通ってるんだよね?」
続けて光成先輩が聞いてきた

「は、はい…3年生に兄が…」
ーこの人、なんで知ってるんだろう…?
不思議に思いながら恐る恐る答える

「じゃあ、お兄さんがいるから
この大学にしたってことかな?」

私の兄は軽音サークルに所属していて
進学について色々相談に乗ってくれていたが…

「いえ…!それは関係なくって…」

「え!違うんだ…」
鉄先輩が驚いた顔をしてつぶやいた

「行きたい学科があったとか?」
光成先輩が何故か嬉しそうに聞いてきた

「いえ、そういうことでもなくて…」
ーどうしよう、言わなきゃいけないのかな
ー憧れの人がいるからなんて
ー恥ずかしくて言えない…

すると光成先輩がニヤッと笑って聞いてきた
「じゃあ好きな人がいるから…とか?」

「…‼︎」