忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 昨日、丈に会えた。

 それなのに。

 朝、目を覚まして最初に浮かんだのは。

 また会いたい。

 だった。

「…………」

 亜美は枕元のスマートフォンを手に取った。

 丈との画面を開く。

『会いたいです』

『今日、塾にいます』

『待ってます』

 昨日、自分が送った三つの言葉。

 返事がなくて。

 大学でも探して。

 塾でも待った。

 もう来ないのかもしれないと思っても、帰れなかった。

 そして。

『亜美』

 名前を呼ばれた。

「…………」

 振り返って丈を見つけた瞬間。

 それまで胸の中にあった不安が、一気になくなった。

 ただ一緒に歩いただけ。

 それなのに。

 会えてよかった。

 もっと一緒にいたかった。

「……先生」

 呼んでみる。

 もちろん返事はない。

 亜美はスマートフォンを胸元へ置いた。

 昨日、あんなに長く一緒にいたのに。

 もう。

 また会いたいんだ。