忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 昼を過ぎても。

 返事はなかった。

 亜美はバイト先へ向かった。

 いつもの建物が見えてくる。

 足が少しだけ速くなった。

 今日。

 丈はいるだろうか。

 勤務表を思い出す。

「…………」

 いたはず。

 そう思った瞬間。

 胸が少し軽くなった。

 返事ができなかっただけかもしれない。

 会えば。

 少しだけなら。

 話を聞いてくれるかもしれない。

 中へ入る。

「お疲れさまです」

「お疲れさま」

 挨拶を返しながら、亜美の目は無意識に丈を探していた。

 いない。

「…………」

 まだ来ていないのかな。

 荷物を置く。

 準備をする。

 時計を見る。

 もう一度、入口を見る。

 来ない。

 授業が始まった。