忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 翌日。

 大学へ行っても、幸也から連絡はなかった。

 講義中も。

 休み時間も。

 亜美は何度もスマートフォンを確認した。

 何もない。

 送ろうか。

 やめようか。

 考えているうちに時間だけが過ぎていった。

 ダンスサークルへ行っても。

「亜美ちゃん」

「……はい」

 光成に呼ばれて、顔を上げる。

「これ、お願いしていい?」

「あ、はい。すみません」

「大丈夫?」

「……大丈夫です」

「ほんと?」

「はい」

 笑おうとした。

 うまく笑えたかは分からない。

 少し離れたところに群司がいた。

 目が合う。

「…………」

 亜美はすぐに逸らした。

 群司も、何も言わなかった。

 幸也に話した。

 丈のことを。

 キスマークのことを。

 それ以上、何を話したのか。

 聞きたかった。

 でも。

 今は群司と話せそうになかった。