4月○日○曜日
大学の入学式の日の朝、風でなびくカーテンの間から日の光が覗き込んでいる
ーうぅ、まぶし…
鏡に反射する光が目に入る
ー今日の入学式大丈夫かなぁ
他人と話すことが苦手な私は
入学式に行くことが意味もなく不安だった
新しいスーツを着て鏡の前に立ち、
鏡に映る自分に声を掛ける
「大丈夫、頑張る…」
励ますように胸の前で小さく拳を握る
ポケットの中に愛用のイヤホンをしまうと
ずっと会いたいと思っていた人を思い出す…
ー今日からあの人と同じ学校に行くんだ…
あの人のことを考えると
さっきまで緊張していた心が
キュンキュンする恋心に塗り替えられていく
ー髪型、メイク、服装…
ー髪型、メイク、服装…
鏡を見ながら何度も何度も確認していると
ふと時間が気になって時計を見る
「もうこんな時間っ!」
集合時間が近づいているのに気がついて
慌てて家を出た