直月と朝都~体育祭編✩.*˚野いちご学園高等部

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 体育祭の後は打ち上げだ。

 制服に着替え、ホテルのパーティー会場を貸し切って行われる。クラスごとに分かれて座るから、学年が違う東条とは話すタイミングがないと思う。

 東条と一緒に組んでみて、改めて思ったことがある。

 東条は見た目が変わっても、小さい頃から中身は変わらない。

 昔の頃からずっと、兄弟みたいに接してくれている。俺は東条に対してこんなに冷たくしてるのに。

 このままではなんかダメだな。でも今更、昔のように接するのには抵抗があり……。

 制服の乱れとか、俺は気にしすぎなのかもしれないな……。

 楽しみたいのに、少し気持ちがしんみりとした。

 パーティーが終わる時間が来た。終わるとそそくさと会場を出ていきトイレへ。トイレから出ると、東条が目の前に現れた。

「直月、電話に出ろよ」
「えっ?」

 そんなこと言われても、家に戻らないでそのまま来たから、スマホは家に置いてきてるし。

「まぁ、いいや! 俺らもふたりでプチ打ち上げ、今からやるぞ! こい!」

「はっ?」

 わけが分からないまま手を引っ張られ、近くにあるファミレスに連れていかれた。