大きい数字で書かれ貼られていた各チームの点数を確認した。この競技で勝ちチームが決まる程の近差だった。

 4人が並んだ瞬間から黄色い声と共に、カシャカシャとスマホで写真を撮る音が沢山聞こえてきた。

 今写真撮ってる生徒たちは、スマホをポケットに入れながら競技に参加していたのか? 俺のスマホは、一応ガラスフィルムを画面に貼り、強めなカバーも本体に付けてはいるが、落としたりして壊れる可能性があり不安だったから今日は家に置いてきた。でも、今思えば鞄に入れといてもよかったな。

『では! 競技の説明をいたしま~す!』

 明るい声の男子生徒が競技の説明を始めた。

『まず、去年までは運動神経のみ重要な感じでしたが、今年からはふたりの仲良し度も分かっちゃいます!』

 今年のこの競技、東条がアイディア出したっぽいな……。他の運動苦手でも楽しめる系競技も多分東条アイディアだな。

『では、それぞれ立ち位置についてください! よーい、どん!』

 まずは、東条と高瀬が走り、こっちに向かってくる。東条は元々なんでもこなせるから運動神経も抜群で足も速い。高瀬も毎日仕事のために鍛えているから同じぐらいの速さだ。

 手でタッチされると次は俺らが網をくぐる番。競う相手の珠洲島は、ふだんぽわぽわしてるのに意外に網の中を進むのが速い。水中をすいすいと泳ぐ魚のようだ。網に引っかかりイライラしながら、俺も負けじと必死に前へ進んでいく。

 東条に手タッチをすると、俺は指定された場所で待機。東条たちは跳び箱や縄跳びを難なくクリアしていく。

 高瀬が僅差で先にゴールに着いた。

『ここまでで一旦区切り、速かった青チームに点数が入ります。次からは仲良し度チェックです! 2倍、なんとこれからの競技、点数2倍になります! 頑張ってください!』

 つまり、これで勝った方が総合的に勝つ。