俺らが中等部の時はまだ仲が良くて、一緒に遊んだりもしていた。

 その頃、東条がクラスのイジメの話をした。そして、ふと呟いた。

「周りから浮いている、いじめられてるヤツらよりも俺が目立って、強くなって守ってやることが出来れば、そいつらはいじめられなくなるのかな……」

 その話をしたすぐ後に暴走族チームを結成したり、制服を着崩して着るようになった。

 ヤツら。複数系だから、もしかしたら俺も含まれているのかもしれないと思った。

 初等部の時、俺は公園で3人の不良に絡まれていた。その時に東条がやってきて、ひとりで3人を相手に喧嘩し、ぼろぼろになりながらも俺を守ってくれた時があった。

 東条は普段からやんちゃなタイプで面倒見もよかったから、チームの総長になるのには特に違和感はなかった。おそらく東条が暴走族のチームを作り、総長となったのはそういうのがきっかけなのかなと考えられる。

 実際に東条が目立つようになってチームも結成して、いじめられてたヤツらがチームに入ると、そいつらはいじめられなくなったし、いきいきしていた。