11月の秋色が深まる季節。

 今年も『野いちご学園高等部、体育祭』の日がやって来た。

 毎年この学園の体育祭では、1年から3年の男女混合で『青チーム』と『赤チーム』に分けられる。

 各チームのリーダーも学年関係なしで1年から3年までの中で運動神経が良くて仕切るのが上手い、総合的に能力が高い生徒が投票で選ばれる。

 今年の青チームのリーダーは、俺の1学年下の1年生で人気モデルの高瀬 帷(たかせ とばり)、そして赤チームのリーダーは生徒会長で暴走族チームの総長もやっている3年生の東条 朝都(とうじょう あさと)が生徒からの圧倒的な投票数で選ばれた。

 ちなみに東条は俺、蓮見 直月(はすみ なつき)の幼なじみだ。家が近くて昔はよく一緒に遊んでいた。

 そんな東条から今、大会の目玉のひとつでもあるリーダー同士が戦う競技の相方に指名された。しかもこの競技は大会一番最後の競技。

 なぜ俺を指名したんだ。

 指名されたのが少し複雑な気分だ。
 だって、東条とは昔は仲良かったけど、今は――。