直月と朝都~体育祭編✩.*˚野いちご学園高等部

 ファミレスに着いた。

 窓側のボックス席に案内され、向かい合わせになってふたりは座った。

「じゃあ、俺、カレーライスにしよっかな」

 東条が今、メニューを見ながら注文するものを決めていた。

「やっぱりカレーじゃん!」

 後ろから声がした。
 東条と目が合った。

「いや、今言ったの俺じゃないし。この声ってもしかして……」

 俺は後ろを向き、声がした席をちらっと覗いてみた。
 高瀬と目が合った。

 今の声は、俺の真後ろにいた珠洲島の声だった。

「おー! お疲れ様!」

 高瀬がさわやかな笑顔で手を振ってきた。
 そして4人一緒に座ることに。

 俺の隣に珠洲島が、東条の隣には高瀬が座った。

 東条と高瀬はカレーを頼み、珠洲島はいちごパフェ、俺はミートソースパスタを頼んだ。

「そういえば、珠洲島がリーダー対決の競技の時に呟いていた、裏と表って何だったの?」

「裏と表? あぁ、リーダーの好きなのは餃子カレーかスフレオムレツか?ってやつね」

 俺が質問すると珠洲島が答えてくれた。
 続けて高瀬が詳しく教えてくれた。

「大人の事情で俺、高瀬帷はスフレオムレツが好き!って世間のみんなには公表してるんだ。でも本当は俺、餃子カレーが好きなんだ! みんなには内緒ね!」
「カレー美味しいよな!」

 東条と高瀬はカレーの話で盛り上がっていた。

 さっきホテルで沢山食べたはずなのに、ここでもみんな注文して、残さず綺麗に食べきった。そして少し話をしたあと、解散した。