━小さな世界━

電話をしてから5分もしないうちに
愛華ねぇーが来てくれた。

秋山兄夫婦のバイク屋は
私達の住むハイツから
歩いて10分程。

バイクを飛ばして来てくれた。


翔太の家に着くなり
翔太から楓を取り上げて

手際よくオムツをかえる愛華ねぇーちゃん。


すると楓は泣き止み
愛華ねぇーの腕の中で
ご機嫌な様子。

さすが1児の母だ。


楓を抱きながらソハァーに座り
『なんで菜穂出ていったの?』

不思議そうに部屋を見渡しながら
愛華ねぇーが問いかけた。

『わかんない。』

ため息をつきながら翔太が答えた。


『菜穂はそのうち帰ってくるとしてその間楓どうするの?』

『わかんない。』

しっかりしろよ新米パパ。
呆れた様子で愛華ねぇーが
『翔太昼間仕事でしょ?楓私の家で見ようか?つーか翔太も一緒に住む?』


『えっ?!』
驚きを隠せない翔太。

『しょうがないじゃん。母親いないんだし。』

『お……おん。』

申し訳なさそうに
翔太は返事をすることしかできなかった。
『じゃ。とりやえずタクシー呼んで。歩いて10分つってもこんな寒い中産まれたての赤ちゃん連れて歩けないし。』