大学を卒業してとうとうその会社に入社した。入社式でまた彼に遭遇した。あのイケメンでカボチャプリンの面接官だ。

 入社式で最初にマイクを持って話したのが彼だった。なんと、総務人事課長というポジションだったらしい。どうりで、面接にいたわけだ。やはり偉い人だった。

 明日から研修に入ってもらいますという話で、一週間本社で会社概要についての新人研修に入った。

 みんな、このメーカーのケーキやお菓子が好きで入社した人だらけだった。つまりは、新しい商品を味見したい人だらけって事だと思う。

 私の面接でのあの受け答えが笑われたのは当然だった。はー、今思い出しても恥ずかしい。

 私が合格したのは、カボチャプリンの総務人事課長のお陰かな?そんなわけないか。君は面白いとか言われたし。

 研修の間、たまに顔を見せる沢島さん。私と目が合うとプッと吹き出す。失礼な!そして私がムッとするのを見てまた横向いて笑ってる。何なのよ!

 笑わないでメガネかけて真面目な顔していると別人。まるで格好いいエリートって感じになる。

 お店のときは、にっこり笑ってイケメンって感じ。まあ、どっちにしてもいい男であることに変わりはないけどね。みんな、課長はかっこいいと言っている。

 研修最終日の昼休み。

「田崎さんはどこへ配属になりたい?」