課長と親しい営業の課長がいて、沢島課長が外を見ているのを後ろからその課長が眺めていたことがある。その時、呟いたんだ。
「……あいつ、まだ忘れられないんだな」
私は何のことですかと聞いたら、内緒だといわれた。
でも、桜井さんの様子だとやっぱり聞いてはいけないことだというのがなんとなくわかった。みんなも触れない。見て見ぬ振りってやつだと思う。
週末。私はのんびりとしていたら、なんと本当に昼過ぎに課長が現れた。何もせず、部屋着で迎えた私を睨み付けた。
「田崎お前。何してんだ?片付けてあるんだろうな?すぐに出るぞ」
「課長、私昨日の夜メールしましたよ。明日のことはなかったことにしましょうって。既読になりましたよね?つまりOKってことですよね?」
「お前はどうしてそうやって自分にいいように解釈するんだ?俺は一度も頷いたり、わかったと返事をした覚えはない」
「ええ!?それはおかしいですよ。だって、それならそうと言ってくれないと……」



