課長のケーキは甘い包囲網


「篠田課長。彼女に突っかかるのはやめてもらえますか?今日は別な話をしにきたんですよね?さっさと終わらせましょう」

 私はこぼれたお茶をお盆に戻して布巾で机を拭いた。

「すみません、入れ直してきますので……」

「お茶はいれなくていい。出ていろ、田崎」

 私は驚いて課長を見た。今まで見たことのないような怖い顔だった。すると、篠田課長が言った。

「ああ、まーた怖がらせてるよ。怖いよな、可哀想に……」

「失礼します」

 私はそそくさとそこを後にした。出ると深呼吸。桜井さんがこちらに来た。

「すごい音がしたけど大丈夫?」

「本当に仲が悪いんですね。お茶はいらないそうです」