伏見さんも言い募る。
すると、驚いたように課長が言った。
「おいおい、誤解だよ。俺は慰めてやってたんだよ。そしたら泣き出したんだ。うれし泣きだよな、田崎?」
私は、うなずいた。
「え?本当に?いじめているようにしか見えなかったですけど……」
「お前達、俺の優しさを知らないな」
すると伏見さんがすぐに言い返した。
「知るわけないじゃないですか。私が二年目で課長が来た時なんて、本当に怖かった。全く笑わないんですもん。どうやったら笑わせられるかとかみんなで話していたくらいですよ」
「……そうだったか?」
「私も新人の頃は怖かったですよ、課長のこと……」



