「すみれ、飾り付けうまいな。さすが料亭の娘」

「……そうですか?嬉しいな」

「今年の冬はあちらに帰省したら少し手伝って驚かせてやれ」

 そんな……自信ない。どうせ、求められるものの水準が高すぎる。彼が私の頭を撫でた。

「大丈夫だ。俺も一緒に行ってやるぞ」

「え?」

「さてと、食べよう。美味しそうだ」

「準備しますので、先に着替えてきてください」

「ああ」

 彼はテーブルに並ぶ料理を見て嬉しそうに座った。

「お誕生日おめでとうございまーす。カンパーイ」