「川村君お願い。誰にも言わないで……」
両手を合わせて彼にお願いのポーズをした。誠司さんは私の横に座り、川村君に言った。
「何を相談していたんだか知らないが、口説いたんじゃなければ許す。ただし、今後は二人で飲みに行くのはぜーったい禁止」
「……うっわ、大人げない……」
小さい声で川村君が呟いた。彼も酔ってる。もう、ふたりともどうしようもない。
「もう、課長やめてください!」
「俺はもう、お前の課長じゃない!」
「ちょっと、本当にいい加減にして!ごめんね、川村君。相談のことはわかったから……」
「ありがとうございます。田崎さん。この人が睨んでいて怖いので今日は退散します」
「あ、支払いはするからいいよ。ごめんね。気をつけて帰って……」



