「お久しぶりです、じゃない。お前、田崎を残して酔い潰れるとはいい度胸だな。どういう魂胆だ?」
「いや、そんな魂胆なんてありませんよ。お水飲んで復活しますから。田崎さんを送っていかないとね」
そう言って私の手から水を取ると、一気飲みした。
「おい、田崎。こいつの相談は終わったんだろ?」
「ちょ、ちょっと誠司さん。勝手に……」
「ん?誠司さんって何?」
しまった、私は口を両手で押さえて、ごまかそうとしたが遅かった。
「川村君。君は確か頭が良かったはず。少し考えればわかるだろ?田崎と会ったのは偶然だが、俺がここにいるのは必然だ」
「……ちょ、ちょっと何言ってるんですか?課長こそ酔ってますよね?」
「まさか、田崎さん……お付き合いしている人ってこの課長さんなんですか?」



