「あ、ふたりですけど、ちょっと相手が酔っ払っているので今日はあの失礼します」
「残念だな。可愛い子大歓迎なのに。今度紹介してくださいよ、課長」
「お前……男と二人で飲んでるのか。しかも相手は酔っ払ってる?しょうがないな、見に行ってやる」
「……ええ!?い、いいです、大丈夫ですよ」
私がいらないと手を振ったら、凄い目で睨まれた。
「お前達、俺はもう席外していいか?」
「「はあ?」」
「支払いはこれでしろ。久しぶりだし、俺は人事の方へ挨拶に行く。あとはふたりでやれ。じゃあな」
そう言うと、あっけにとられている男女ふたりの前に数枚のお金をおいて、鞄を持った誠司さんは私を見た。
「ほら、案内しろ田崎」



