「そんなことありませんよ、ちなみに田崎さんはどういう人がタイプなんですか?」
「そうだなあ、私自分がこんなんだし、小さい時からお兄ちゃんに助けられてきたんだよね。だから似たようなしっかりしている人がいいかもしれない」
「しっかりしている……年下はダメですか?しっかりしていたらいいですか?」
「え?そ、そうだね、私よりしっかりしていればいいかもしれないね。って、ほとんどの人が私よりしっかりしていたりして……あはは……」
気付けば、川村君は結構飲んでいる。顔が赤い。まずい、お水飲ませないと。
「あ、川村君そんなに飲んじゃダメだよ。私、ちょっとおトイレ行くついでにお水もらってきてあげるから……」
そう言って立ち上がるとトイレに行ってから、水をもらって戻っていく途中で聞き慣れた声がした。
振り返り、声のした方を見ると、誠司さんが女性と男性三人で食事をしている。私は声をかろうじて出さなかったが、つい立ち止まってじっと見てしまった。



