課長のケーキは甘い包囲網


 嫌みたらしく言う。同期の私にはすごく尊大です。特に近頃。何度も言うけどね。

「桜井さんと何度か親しげに話したら頭小突かれたんです。びっくりしてしまって。でも、桜井さんを好きなんですかって冗談で聞ける雰囲気でもないんですよ」

「確かに……それはわかる。困ったね。伏見さん辺りにどうしているか聞いてあげる。あんまり目に余るときは私から武田君に注意してあげるよ」

「……ほんとですか?僕、ここだけの話、桜井さんみたいな真面目な人より、田崎さんの方が好きです。田崎さんはいつもにっこり笑ってくれてすごく癒やされます。桜井さんはお仕事出来るけど普段はあんまり笑ったりしないし、正直とっつきにくいから……お世辞言ってたら武田先輩に勘違いされたんですよ」

「あ、ありがとう。私の取り柄はへらへら笑うことくらいだよ。女子力低くて気もまわらないからね」

「いやいや、田崎さん笑うとえくぼ見えるでしょ。いいっすよね。お付き合いしている人いなかったらガンガン行くんですけど。俺、年上無理かと自分では思ってたんですけど、ここだけの話、田崎さんみたいな人は超タイプです」

「……またまた。褒めなくてもいいってば」