「川村君は慣れた?何か、すごくお仕事できるって聞いてるよ」

 恥ずかしそうに頭をかいている。メガネを掛けた優しそうな男子。

「いや、そんなことないですけど大分慣れました」

「そう。何か私が助けられることあれば言ってね。川村君みたいに気が利かないからさ、言ってくれた方が助かるよ」

「いつもそういう風に言ってくれるのって田崎さんくらいです。ありがとうございます。とても嬉しいです」

「そう?それなら良かった。あ、本当に気にしないで何でも言ってね。愚痴聞くぐらいならできるし……」

「じゃあ、早速ですけど出来るなら、田崎さんと食事に行きたいです」

「……え?」

「あ、じゃあ……みんなに声かけてみるね」

「……そうじゃなくて、田崎さんとだけです……少し愚痴じゃないけど、ご相談したいこともあって……」