「すみれ、とりあえず時間がないから俺行くわ。一度彼氏連れて帰省しろ。ここ引っ越すならなおさらだ。母さんも心配する」

 そうだった。家の問題もあった。正式に同棲するなら紹介しないとまずいよね。

「わかった。彼に聞いてみてまたお兄ちゃんに連絡するね。今日はありがとう。気をつけてね」

「ああ。すみれも頑張れよ」

「お母さん達にもよろしく」

「ああ。じゃあな」

 そう言うと、空のボックスを担いで出て行った。