「今開けます」
ガチャッと扉を開けるとお兄ちゃんが大きな保冷バッグを持って立っていた。ああ、これじゃあ、大変だったよね。
「お兄ちゃん、いらっしゃい。お待たせしました」
「……」
どうしたんだろう?私をじいっと見ている。
「な、何?どうしたの?」
「……すみれ」
「ん?」
「お前……なんか、綺麗になった。色気があるぞ。おい、お前まさか……」
うそ。そんなこと、会社でも言われたことなかったけど……相変わらず鋭くてお兄ちゃんは本当に苦手。
玄関に突っ立ったままのお兄ちゃんの荷物を奪い取った。
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