「わかった、三十分以内に行く」
「なら、その辺で時間潰してるから着いたら連絡寄越せ」
「わかった。ごめんね、お兄ちゃん」
「ああ。早くしろよ」
「うん、じゃあね」
私は急いで着替えると、鞄をつかんで部屋を出た。携帯を確認したら、メールが夕べ来ていた。
その頃はすでに誠司さんと……だから気がつかなかった。朝も確認しなかった私が悪い。
確かに、食材を持って行ってやる、久しぶりにうまいもの食わせてやるからなって書いてあった。
お兄ちゃんは私が料理できないのをよく知っているし、食べる専門だったのも知ってる。だから、きっと気を遣ってくれたんだろう。
ばたばたと十五分くらいで走ってアパートへ着いた。急いで部屋へ入り、窓を開ける。



