課長のケーキは甘い包囲網


「……ふふっ」

「おちたか?」

「ええ、このケーキにはあらがえないですね」

「今何時だ?」

「えっと、六時半」

 私を抱き寄せると耳元でささやいた。

「抱きたいが、無理だな。止まらなくなりそうだ。それに、すみれ……多分初めてだろ?」

「……もう、どうしてそういうことそんな顔で言うの?」

「悪いな。俺はこういう顔なんだよ」

「課長……好き」

「は?どうして今そういうことを言うんだよ。俺が懸命に我慢しているんだぞ」