「好きだ、すみれ」
そう言うと、私の背中に手を回してぐっと力を入れて身体を近づけてキスをした。
「ん……、あ、ん……」
「変な想像して、出て行く準備して、馬鹿だな。お前はどこにもやらない。そうだ、お前ツインスターホテルにそれで行ったのか?チョコとオレンジのケーキが入っていた。あれも有紀の作品だろ」
「そうです。すごく美味しかった」
「ああ。作った作品はどこか似ているな」
「課長」
「ん?」
「どうしてこのフルーツケーキを作ってたの?」
「ああ。このケーキをすみれが大好きなのは知っていたから。お前に告白するため、勝負ケーキを作ったんだ」



