「当たり前だ。このケーキをリニューアルしたのは俺だ」
ええー!?
「課長がこのパウンドケーキを作った?嘘でしょ?もしかして開発課にいた時?」
課長は立ち上がり、水を冷蔵庫へ取りに行った。
「俺が考えて、試作などは同僚も手伝った」
そうか……つまり課長が考え出して、有紀さんと一緒に作ったんだ。
それでイチジクのケーキとよく似ていたんだ。わかった。
「……き、昨日の夜はいつ帰ってきたんです?私寝てしまっていて」
「そうだな、帰ってきたのは十時過ぎていたな。それからシャワーを浴びて、食事して、これを作り出したんだ」
「午後外出されましたよね?どこへ行ったんです?」



