僕だけみててね、先輩。

「先輩は僕と会えて幸せですか?」

「幸せだよっ、とっても」

颯くんは一緒にいるだけで幸せをくれるもんっ……!

「そこ……、朝からいちゃいちゃしないでもらってい……?」

「わっ、いろちゃん!い、いちゃいちゃなんてしてないよっ!」

いつの間にか私の後ろに立っていた中学からのお友達の水瀬いろちゃん。

朝が弱いみたいで、二限目までは目がいつも半開き。

今日も寝ぼけたまま来たのか、ポニーテールにした長い髪が少し跳ねている。