「…ありがとうございました。」
手をグーパーと動かして確認しているようだ。
「お疲れ様でした。すぐすぐは良くならないと思いますけど、徐々に良くなるように一緒にやっていきましょう」
「またよろしくお願いします」
ニコリというよりは、フッとすこし緩んだ顔をして、私にそういって歩いていった。
いや、かっこいいじゃないの。
普段、仕事とプライベートを線引きしているんだが。
今のはちょっとキュンとした。
目がすごく綺麗というか…澄んでいるというか…とにかくいい目をしていた。
まぁ、どうにかなりたい訳じゃなく、たまーにある癒しみたいなもんよね。
気持ちを切り替えて、次の患者さんを呼んだ。


