恋に気づいたら


「送ってもらってすいません。今日はありがとうございました。
あ、…ー」

彼の耳元でそっと言うと、耳を抑えて真っ赤になっている。

その隙に車から降りて手を振って階段を登る。

彼は車で。
彼女は玄関で。
お互い顔を真っ赤にして下を向いている。

『今日は送りますって、次はどうなんですか?…真一さん』

名前で呼びたくなったり、ちょっと意地悪なことを囁いたり。
今までの私だったら絶対しなかった。

身長高いから。王子様扱いされてたから。みんなの前でかっこよくいないといけないと思い込んでいたから。

勝手に私が決めていただけで、こんなこともしたくなっちゃう。これも恋なんだね。

ありがとう、私を見つけてくれて。

ありがとう、好きになってくれて。