「…わたし、昔…公園で転んで泣いてたら、知らないお兄ちゃんが慰めてくれて、高い高いしてくれたんです。 顔も覚えてないんですけど、なんだか思い出しました」 海の方を見たまま、昔のことを話す。 年齢とか、全然違うのに。 「…そうなんだ。 こうやってるから思い出したのかな? 言っとくけど軽いからね、もっと食べなさい。 辛いときはまたこうする?」 ふふっと半笑いの彼をバシッと叩く。 降りようとしても下ろしてくれないし。 周りに誰もいないからって。