「…というわけなんだが」
経験がない分、困る。
だから、専門からの友達、舞香に相談してみる。
「いや、相談いらんがな」
バッサリ切られた。
「あんたね、そんな美味しいチャンス逃すか!待ってましたでしょうよ!」
同じ学校で、同じ仕事をしているからこそ、こういう時どうすればいいのか相談したかったのに…。
「でも…」
「でも、じゃないわ!こんな美味しい出会いないでしょ?
優子が患者とプライベート分けてるのは知ってるよ?公私混同しないのはいいとこだと思うよ?
でもさ。ずっと自分で、自分を我慢してたんじゃないの?
王子様みたいに言われてたことあったじゃん。女の子なのに。
どっか諦めてた部分も知ってるし。
だからこそどうしていいかわかんないんでしょ?
一方的だったり、その人びいきになるならだめだと思うけど。
向こうも気にしてくれてるならお互い様でしょ。
きついことも言ったけど。私は嬉しいよ。
優子に春がきたようだし。」
なんだかんだ大事にされてるなぁ、私は。
「ありがとう。持つものは友達だよね。
嬉しい」
いいのよ、と言って、進展あれば報告しなさい!と電話を切られてしまった。


