好きなものは好きだから。
すごいなぁ。しっかり自分の気持ちを言えて。
「引かないですし、甘いもの最高じゃないですか。…あ、あそこの…」
「え、そうなの?」
コンビニの中だけど、あそこのお店が美味しいとか、スイーツとパスタが食べ放題のお店ができたとか。
そんな話をするうちに、館山さん、砕けた口調になってる。
患者さんだけど、少し仲良くなれた気がして嬉しい気もする。
「…あー食べたい…でも一人は…うーん…」
一人で葛藤しているなぁ。
ふふっと少し笑ってしまう。
私の顔を見つめて、
「今日午前のみだったよね?午後からは?」
そんなこと聞かれたら、ちょっとドキッとする。お誘い?すごい格好適当だし…患者さんだし…。
「…ご飯食べてちょっとごろっとして、夕方買い物行ってご飯作るくらいですかね」
隠すところでもないから正直に話す。
「…お願いがあります。佐々木さん…どうしても食べたいんです…一緒に行く相手もいないんです…」
しょんぼりしてるのか恥ずかしいのか。
「これから行きませんか。佐々木さんの都合とか、悪くなければ」
スイーツとパスタの食べ放題に行きたいと、私を見る。
そんな目で見ないで!こっちが恥ずかしい!
患者さんなんだけど…でも。誘われて嬉しい自分がいる。
普段はこんな思い切ってしないんだけど。
「…いいですよ。都合もなにも悪いとこないですから」
彼氏もなんもないし。


