きっと、君に怒られるだろうけれど



約二時間後。

エンドロールが終わり、徐々に明るくなった劇場内で人がゴソゴソと動いているのが歪んだ視界に入ってくる。


「櫂、泣きすぎだよ」


なんて、美桜が笑いながらポケットティッシュから抜き取った数枚のティッシュを隣から俺に渡してくれる。

そのティッシュを受け取って、じわりと滲む涙を拭う。


「まじ感動したわ」


そう言った声はまだ潤んでいた。

始める前は隣の美桜に意識がいってしまっていたのにいざ映画が始まると、一つ一つのシーンに見入ってしまうほど良い映画で気づけば夢中で観ていた。

そして、隣に美桜がいることも忘れて大号泣してしまい上映が終了した今、少し恥ずかしい気持ちになっている。

でも、本当に感動した。
きっと、心が揺さぶられるというのはこういうことのことを言うのだろう。

人が人を想う気持ちがすごく丁寧に繊細に表現されていた。


久しぶりにいい映画を観たなあ。


俺が今まで見た映画の中でもトップ3に入るくらいよかった。

確かにこれは泣けると話題になるわけだと心の中で納得をする。


「ほんと感受性豊かだよね。わたしより泣いてるじゃん」